仙台名物「牛たん」を本場の名店で味わう!

終戦後、仙台で独自に発展した「牛たん焼」は、焼肉の牛たんとは異なります。塩・コショウなどで味付けした牛たんを、冷蔵庫で2、3日寝かし炭火で焼きます。全般にどの店においても厚切りで、そのプリプリとした食感と絶妙な塩加減から絶大な人気を誇ります。仙台駅には「牛たん通り」ができ、市内にも多くの牛たん専門店が並んでいます。今や仙台グルメに欠かせない存在になった牛たんを人気の名店で味わってみましょう。
「太助」創業者が試行錯誤の末に完成した牛たん焼

昭和23(1948)年に牛たんの調理法を考案したのが先代・佐野啓四郎氏。今でこそ、牛たんは仙台の名物料理として誰もが知っているメニューとなりましたが、当時の知名度はまだまだ。それでも手切り、手振り塩での調理にこだわり続け、やがてそのクオリティの高い味から、多くの人に認められるまでになりました。牛たん焼きに合わせる、麦飯、テールスープ、漬物という定食スタイルも考案。さまざまな工夫が生きた牛たん焼は、仙台を代表する名物となったのです。
写真は「牛タン焼き定食A」(1500円) 。
熟練の職人技が生きた「喜助」の牛たん焼

太助に続いて歴史がある「喜助 一番町本店」は、熟練の職人が仕込みを担当し、昔ながらの手仕事にこだわる名店です。包丁で一枚一枚手切りした牛たんに、塩を手振りしてていねいに仕上げるスタイルは、創業時からほぼ変わりません。8時間以上コトコトと煮込むテールスープも評判。牛たんの味は、定番の塩のほか、たれ味とみそ味もあり、お好みで選べるのも喜助ならではです。
写真は「牛たん炭火焼定食」(1674円)。
肉質にこだわった牛たんが味わえる「牛タン焼専門店 司」

オーストラリア産の最高級牛たんの厚切りを、惜しげもなく使った牛たん焼が評判の店です。炭には火力の強い岩手県産のナラ炭を使い、手早く焼くのが司流。じんわり肉汁の浮かんだ「熟成牛たん」(写真1700円)は、外はカリっとしていながら中はとてもジューシーです。定食では、宮城県登米産のひとめぼれをベースに、栃木県足利産の二条大麦を加えた香りのいい麦めしも味わえます。また、司に行ったらぜひ味わいたいのが、牛たんを柔らかく煮て細くほぐし、コチジャンなどで味付けした「元祖 タン辛味」(500円)は、お酒のつまみに最適な一品です。