書画用紙の生産量日本一、「因州和紙」の魅力

古来の伝統産業である、日本の和紙づくり。では、数ある産地のなかで、国の伝統工芸品に最も早く指定されたのはどこの和紙か、ご存知ですか? 答えは「因州」。昭和50年(1975年)、鳥取県東部でつくられる「因州和紙」が、和紙で初めての産地指定を受けたのでした。現在でも、とりわけ書画用紙として高い人気を誇り、「因州筆切れず」(つまり「筆が傷まない」「墨がかすれない」)は今に至るまで因州和紙のキャッチコピーとなっています。
写真上:「因州鳥取産手漉画仙紙『紫雲』半切判」(50枚12,600円・税込、以下同※価格は変動の可能性あり)/約35×136cm)
原料に竹・ミツマタ・雁皮、ねり剤にトロロアオイを用いる、因州鳥取産の画仙紙。国認定の伝統工芸士が漉きあげた、純手漉きの高級書道用紙です。(写真提供:カミシマ、以下同)
長い歴史を誇る伝統的な和紙
現存する最古の因州和紙は、奈良・正倉院に保存される文書「正集」とされ、その記録は奈良時代前期から後期にかけての約50年に及ぶものだそうです。この頃から因州、つまり因幡で手漉き和紙がつくられていたとすると、その歴史はざっと1300年。江戸時代には和紙の原料にミツマタが取り入れられるようになり、明治期にはそのミツマタだけで漉いた因州・佐治の紙が「佐治川筆切れず」を名乗ったことで全国的な知名度を得たと言われています。
そして現代。和紙の需要は往時に比べて大きく減少しましたが、手漉き書道用紙としての因州和紙は、いま現在、日本一の生産量を誇っています。なかでも、創業から約半世紀、因州和紙問屋を謳う「カミシマ」では、幾人もの伝統工芸士と信頼関係を結び、因州和紙や近隣産の高品質な和紙を仕入れ・販売するだけでなく、オリジナルブランド「紙蔵(かみくら)」を立ち上げるなど、和紙の素晴らしさを伝えるプロデューサーとしての役割をも果たしています。

「巻紙(箔合紙)純手漉 純三椏(みつまた)」(1本1,310円/19.7×45cm、1枚入り)
岡山北部の上横野地区で生産される、国産ミツマタ100%使用の手漉き和紙「横野和紙」の巻紙。その厚さは何と0.04mm! もとは金箔を保護するための紙でしたが、純ミツマタならではのにじみのなさ、滑らかさで筆書用の紙として重宝されます。
こうした、書画の専門家をも唸らせる質の高い和紙を数々取り扱う一方、「カミシマ」では、こちらならではのオリジナル和紙アイテムも扱っています。その筆頭格が「香り和紙名刺」でしょう。ほかにも、ちぎり絵用の和紙、リバーシブルのカラー和紙、「破り継ぎ」という装飾が施された料紙封筒なども魅力的。もちろん、これらはすべて因州和紙製です。紙にこだわる労力をいとわない、という方なら、オリジナルの和紙を漉いてもらうといった離れ技にも対応してもらうことができます(※要問い合わせ)。本物の和紙を求めるなら、一度は訪ねていただきたいお店とウェブサイトです。

「因州手漉香り和紙名刺 色無地 両面1色刷」(100枚9,200円、印刷費込・デザイン費別)
11種類の紙色と、ヒノキ・ジャスミン・白檀など16種類の香りが選べます。受け取る人に好感を与える温かな和紙の手ざわりに加え、香りのインパクトも備えるユニークな名刺用紙です。
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「因州和紙問屋 カミシマ」
住所:鳥取県鳥取市秋里882-3
電話番号:0857-23-3619