『ブラタモリ』の足跡をたどる(函館編/2015.6.13放映)
~函館の夜景はなぜ美しい?~

古くから世界三大夜景の一つして有名な函館の夜景。函館山からの眺望は旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも三ツ星として掲載されています。その夜景の美しさの秘密とは?『ブラタモリ』2015年6月13日放映の函館編にて辿ったスポットをご紹介していきます。
東浜桟橋
かつては沖に停泊した連絡船から乗客が北海道に上陸する際に使用され北海道の玄関口となっていたが、明治41年(1908)に函館駅の横に新たな橋が開設されてからは「旧桟橋」という名称に変更されている。現在は道路から函館港内へ20メートルほど突き出たコンクリート造りに改修が行われているが、夜には街路灯と足元のフットライトが幻想的な雰囲気を醸し出していると人気スポットの1つになっている。
日和坂(ひよりざか)
旧浅橋から船魂神社までまっすぐ続いている坂。函館港を一望することができて空模様も判断できる場所だったことから「日和坂」と名付けられたそうだ。現在はゆるやかな坂になっているが、昔は海岸段丘の段差が切り立つ急な坂になっていたという。
海岸段丘とは波により削られて出来た階段状の地形の事。気候の変動によって海面の高さが上下する中で海沿いの土地が波によって少しずつ削られていくことによって、階段のような段差が生み出されたそうだ。
また、函館の海岸沿いにある坂はいずれもほぼ直線で幅が広いのが特徴だが、これは明治から昭和初期にかけて何度も大きな火事に見舞われていたので、坂を火よけ地として活用するべく、元々は細くて曲がりくねった坂を整備したからだという。
旧相馬邸

坂上にある旧相馬邸は海運業を始めとする金融業や不動産業を手がけ大きな財を築いた函館を代表する豪商・相馬哲平の邸宅で、明治40(1907)年の大火後に建てられた建物。竣工は明治41(1908)年で構造は木造平屋の一部2階建て。伝統的建造物群の歴史的建造物に指定されており、建物の2階に上がると港を一望することができる。
八幡坂(はちまんざか)

道幅が30メートル以上あり函館を代表する坂のうちの一つ。名前の由来はこの坂を上りきった場所に函館八幡宮があったとされるからだそうだ。海に向かってまっすぐ伸びる景色が特徴的で観光客に大人気のスポットとなっている。冬にはイルミネーションによって街路樹と石畳が美しく照らし出され、季節によって異なる情景を楽しむことができる。
十字街電停
函館市電(市営交通)の停留場で、ここから、一旦急な坂を上がった後に300mを一気に下るなどのアップダウンな道のりを経つつ、函館山の南の麓を目差す事ができる。函館市電を運行する「函館市電530号」は昭和25年に製造された路面電車。函館市電で最も古く現役車両として使用されている。駅には通常市電ではお目にかかれないようなしっかりした車止めがあるが、これは駅の手前が急な坂なので、万が一に備えての物なのだそう。
谷地頭(やちがしら)の電停前
江戸時代の古地図を見ると大きな湿地が描かれていて、明治に入るとこの湿地を宅地として活用するために大規模な埋め立てが行われたとされる谷地頭。この谷地頭の電停前は前後にある坂が上り坂になっていてすり鉢のような不思議な形になっており、駅前は海抜1メートルと非常に低くなっている。夜景によって女性のくびれのように見えるこの形は火山によってできた地形なのだそうだ。
谷地頭の温泉旅館
谷地頭の温泉旅館「料理旅館・池の端」では、床一面が温泉に含まれる石灰などの成分が固まった「石灰華」で作られた温泉を楽しむことができる。谷地頭で温泉が見つかったのは明治初期だが、そのおかげで多くの旅館や料亭が建ち並ぶなど、函館の奥座敷として発展していったそうだ。
函館山展望台

定員125名というビッグサイズのロープウェーで急斜面を昇った先にある函館山山頂の展望台からは函館市内を一望することができる。「函館の夜景」は香港、ナポリに次ぎ世界三大夜景の一つとして数えられており、旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも三ツ星として掲載されており人気の観光地。展望台内には、ショップやレストラン、ティーラウンジ、イベントホールなどの施設がある。
情報提供:株式会社エム・データ
写真提供:函館市観光部