花めぐり!長野県いいづな町の春。

(取材月:April 2021)
長野県北部の長野市から車で30分ほど、日本有数のりんごの産地として知られている長野県飯綱町に花いっぱいの季節がやってきました。
見どころである桜の花以外に、果樹産地だからこそのりんごや桃の花、また雪解け残る国立公園内ではミズバショウ/リュウキンカ/ニリンソウ、小高い山の傾斜地にはカタクリ、さらには全国的に絶滅危惧種とされているオキナグサなど、飯綱町ならではの花々が、それぞれの開花時期に応じて町にさまざまな彩りや表情を見せてくれます。
*むれ水芭蕉園のミズバショウとリュウキンカ
*森のカフェ里山通信のオキナグサ
飯綱町観光協会の方のお話
昨今のコロナ禍でも、変わらない美しさを見せてくれる飯綱町の花をめぐる春の様子について、4月半ばに飯綱町観光協会の西澤さんにお話を聞いてきました!
ー西澤さん
「今年は暖かい日が続いているので、全体的に10日ほど開花時期が早くなっている気がします。コロナ禍ですが、どうしてもお花を見たいと「人に会わないよう早朝に自宅を出て、お花だけ楽しんで帰ります」という県外の方からの問い合わせもあります。」
お花見というと、桜の木の下にレジャーシートを敷いてお酒を酌み交わす、花より団子、のイメージも強いですが、飯綱町での花の楽しみ方は、町のあちこちに点在する花の名所に来訪者がそれぞれ赴いて、写真を撮ったり、去年の花の様子と比べたり、純粋に花の美しさを愛でる方達が多いとのこと。
ー西澤さん
「おすすめは、県の天然記念物にもなっている“袖之山のしだれ桜”です。樹齢300年以上の立派な枝ぶりで、夜もライトアップされていて、とてもきれいです。今年は見頃を過ぎてしまいました。今後見に行くとなると“丹霞郷(たんかきょう)”、国立公園内のむれ水芭蕉園の“ミズバショウ”あたりが見どころです。その後に“りんごの花”、さらにその後に“アジサイ”と続いていくイメージです。」
*袖之山のシダレザクラ
丹霞郷は、青い空/残雪の白い山/地面を彩る菜の花の黄色/桃の花のピンクと、これぞ日本の原風景!と思わせてくれる、飯綱町を代表する景観の一つで、昭和8年洋画家岡田三郎助が『まるで丹(あか)い霞がたなびいているようだ。』と言ったことから“丹霞郷(たんかきょう)”と命名されたそうです。

*丹霞郷
ー西澤さん
「丹霞郷の桃の木は、ピーク時には1500本以上ありましたが、老木となり、伐採したり、植え替えたりで、現在は減少傾向にあるようです(新しく木を植えている畑もあるようです)ピーク時をご存じの方は残念に思うかもしれません。桃の木は農家さんが丹精こめて育て、その果実を美味しくいただく。その過程で花を楽しめるという恩恵をいただいています。写真を撮る時などは、畑に入らず、道路から丹(あか)くたなびく霞を楽しんでいただけたらと思います。丹霞郷からは北信五岳(ほくしんごがく)の飯縄山、戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山のうち、斑尾山以外の4つの山をバックに花を見ることが出来ます。」
率直な想いと名所の魅力を聞かせてくれた西澤さん。
花に関する問い合わせで、直接観光協会に尋ねに来てくれた方達には、お手製の名所への行き方の地図も配ってくれているとのこと。さらにプライベートでは、名所としては登録されていないけれど、町内のあちこちにある花の見どころをインスタで発信するなどもしていて、ニコニコと町の魅力を語ってくれる西澤さんの温かいお人柄をうかがうことができました。

*西澤さんお手製の地図
開催イベントについて
西澤さんのような観光協会や町役場の方達のサポート、そして何より花を所有・管理している方達、またそれを楽しみにしている方達の想いがあっての花の里、飯綱町。
花の見どころ時期である4/10(土)~5/16(日)までは『いいづなまち花めぐり2021』が開催され、その中では花めぐりスタンプラリーイベントが実施されています(スタンプ3つで、対象の飲食店で使える500円クーポンを観光協会でもらえる/先着50名)。飲食店や直売所の対象スポットでは、菜の花を使ったピザや蕎麦などの期間限定メニューが楽しめたり、旬の山菜や葉物野菜を購入することが出来ます。
飯綱町の旬の『花』と『食』を、ぜひ訪れてみて下さい!
Writer : MATSUOKA
※掲載されている画像については、取材先よりご提供いただいております。
※訪問の際には、新型コロナウイルス感染症に関する自治体・事業所等の取組みを事前にご確認ください。